さて、ＰＣエンジンのゲームについて書くにあたって・・・とりあえずこのタイトルから始めようと思います。マニアのみならず、ク〇ゲー愛好家であれば一度は耳にした事のあるタイトルでしょう。そういう意味では初心者向けと言えるかも・・・？
なお、後述しますがこのゲームには攻略と呼べるような要素が無いため、雑記的なものしか書きようがありませんが、こればっかりはどうにもなりませんので潔くご了承ください。本文中敬称略。
「パステル・ライム」は１９９２年にナグザットから発売されたＰＣエンジン・スーパーＣＤロムのゲームです。当時のＰＣエンジンでは普通に見られた「ＣＤロムの大容量を活かしたアドベンチャーゲーム」なのですが・・・
「場面によって増減するコマンド」と言えば聞こえがいいのですが、最大で３つしかコマンドが表示されない上１つしか無い場面もザラにあり、実質コマンド総当たりが最短ルートというとんでもない状態になっています。その他にもとにかく全方位に隙のないつくりになっていて（むしろ隙しかない）、このあたりが今なお語り継がれるゆえんでしょうか。とはいえ、よほどのマニアでなければ今からわざわざ環境を整えてプレーするほどのものではないでしょう・・・
まず、このゲームはアドベンチャーゲームであり、パッケージにも「登場キャラクターは全て女の子のギャルベンチャー」などと書かれています。しかし先述のとおり、どう頑張っても１時間以内に余裕で終われるほどボリュームがなく、一応バックアップメモリを利用したセーブ・ロードと、容量が足りない時のためのパスワードコンティニューが実装されているのですが全く意味がありません。
また、グラフィックはかなりヤバいです。当時のＰＣエンジンの水準で考えてもちょっと・・・ねぇ。
最も重要なキャラのグラフィックもかなりの危険水準。パッケージイラストや、説明書のキャラクター紹介のページもやる気が感じられませんが、中身も終始そんな感じです。そして背景はさらにすばらしく省エネ作画になっており、ボリュームの無さも合わせると、当時これを期待して定価で買った人はいったいどんな顔をしたのでしょうか、今さらながら心配になるところです。
（パッケージイラストを見た時点である程度覚悟はできるかもしれませんが。）
ＣＤロムの容量を活かしてキャラがしゃべるというのもこの時期のゲームではよくありました。（今では当たり前ですが当時は画期的でした。）そしてこれもお約束ながら声優はやたら豪華。主人公の女の子（名前入力できるが、なぜかひらがなで入力してもカタカナにされる）が久川綾、魔法使いの「ユウ」が富沢美智恵、ちょい役（名前があり、ストーリーに絡んでくるので一応メインキャラと言えないこともない）の「亜紀」に三石琴乃とこれはもうどう考えてもアレを意識したとしか思えない布陣です。
しかし音まわりもこれがまた・・・セリフの終わりに「プツッ」というノイズが入っている頻度が異常に高く、短いプレー時間の間に何度も何度も聞くことになるので非常に気になります。こういうゲームはしゃべるのが売りのはずなのになんともお粗末。
あと、「登場キャラクターは全て女の子」とありましたがあれはウソです。何回かグオォー、グオォーとうめき声をあげるだけですが、病気の少女にとりついた「悪霊」が登場します。
何度も書いたとおり、一瞬で終わるので手軽に通しでプレーできます。スタッフロールもなく、どれほどの人が関わっていたのかは定かではありませんが、相当の低予算・突貫工事なスケジュールで制作されたものと思われます。これがクリスマス商戦に投入されていたというのも恐ろしい話ですが、まだまだカオス状態だった当時のゲーム事情を知るうえでは貴重な資料と言えなくもない・・・かも・・・
ここまで、ゲーム本編についていろいろ書いたのですが、このゲームは説明書すらあなどれません。次の画像は説明書の２ページ目（表紙の裏）です。
か、「会社名」？？
もちろんこれは仮の文章であり、各ゲーム会社が直さなければならないところなのですが、テンプレートの文章をそのまま使ったうえ校正の段階でも見逃されてしまっているのです。これはさすがに・・・それともやはり、それほどの修羅場だったのでしょうか。今となっては確かめようもありません・・・