参考文献:量子力学I(猪木慶治・川合光/講談社)
 
 
さて、今回は「大学の物理って、一体どんな事をやってるの?」という人にピッタリの内容をやりま〜す。
特に高校生で、物理が得意で「大学で物理やってみようかな〜」なんて思ってる人は必見だね。
大学っていったん入ってしまうと、そこから進路を大きく変えるというのがなかなか難しいから慎重に選ばないと いけないんだけど・・・
これを見て「うわ、こりゃ絶対ダメだ」と思う人は、悪いことは言わないから科学の道に 進むかどうかはよく考えたほうがいいね。
逆に、これを「面白い」とか「美しい」とか思える人は数学や物理を 本格的にやるのに向いてるんじゃないかな。
ただしこの問題、大学でやる数学や物理としては入門の初級レベル だという事を忘れないでね。
内容としては、高校の数学をきちんと理解していれば分かるように、なるべく 式を略したりしないようにやっていくから頑張ってついて来てね。
 
 
Problem.6(その1)
 
 
うわっ、なんかいきなりやばそうな式が・・・
とりあえず問題に沿って、 n が小さい場合を具体的に考えてみましょう。
複雑そうな式に遭遇してもあわてず、その本質を見抜こうとする態度がまずは大切だよ。
 
 
 
 
n = 0 ならシグマの上も下も 0 になるからもちろん、最初の一項だけ考えればいいよね。
で、あとは間違えないように気をつけて普通に計算するだけ。
へー、意外と(?)シンプルな答えになりましたね。
この調子で残りの場合も計算してみましょう。
シグマの上に乗っているのは単なる「2分の n」ではなくて、 ガウス記号がついているからそこだけ注意が必要だね。
 
 
 
 
ちょっとずつ難しくなってるかな・・・でもまだまだ楽勝ですっ。
では、( 2 ) に行ってみましょう。これはRodriguesの公式というの。
(フランス人だから「ロドリーグ」とか「ロドリク」のほうが正しいんだろうけど、英語読みをして 「ロドリゲスの公式」という人が多いね。
このあたり、ガロワ(ガロア)を「ガロイス」と読む人がいないのとは対称的、かな?)
最初の式よりもずいぶんシンプルな形をしているけど・・・これで本当に正しいんですか?
それは、実際に計算して確かめてみるしかないね。その前に、このことは大丈夫かな?
 
 
 
 
たとえば・・・x の3乗を一回微分すると 3x^2 。もう一回微分すると3・2x = 6x。
ここでもう一回微分すると答えは 6、つまりただの数になるから、それ以上は何回 微分しても答えは 0 という感じだね。
以上をまとめて書くとこんな感じ。
 
 
 
 
そんなわけで、これから式を実際に展開してみるけど、消えてなくなる事は分かり切っているから
「x の (n-1) 次の式」はいちいちすべての項を書かずに、まとめて「O(n-1)」と書くことにしちゃいましょう。
という式は、とりあえず二項展開で素直に展開していくしかないね。
 
 
 
 
では、やってみますっ。
ここでちょっとヒント・・・最初の式では、シグマの上にガウス記号つきの「2分の n」が乗ってたね。
これは n が偶数か奇数かによって扱いが変わってくるから、n の偶奇によって別々に考えてみましょう。
 
 
 
 
x の次数は 2 ずつ減っているから、n 乗の次は (n-2) 乗ですね。
n! はすべての項に含まれているから、かっこの外に出して約分して・・・
あとはさっきの微分の式を使って、項ごとに計算していきましょう。
x の次数は 2 ずつ、それ以外の部分(-1 の肩に乗っている指数も)は 1 ずつ変化しているわ。
「2分の」とか書いてあっても、これらはすべて整数であることに気をつけてね。
 
 
 
 
できました!
うまい具合に「1 ずつ変化する部分」と「2 ずつ変化する部分」が出てきて、もとの式と同じになったね。
やり方は同じだから、n が奇数のときも一気にやっちゃいましょう。
 
 
 
 
こっちも同じような感じですね。 [ ] の中をシグマでまとめれば、元の式になりま〜す。
今度は n が奇数だから、(n-1) / 2 = [ n / 2 ] になるね。
最初にも言ったけど、ややこしい式でも本質をうまくつかめれば、ぐっと見通しがよくなるわ。
でもそのためには、複雑な式だからと言ってすぐに投げ出すんじゃなくて、とりあえず計算してみることね。
(もちろん、正確に計算していかないとダメだけど・・・)

では、今回はここまで。次回はこの式を使って、タイトルにある「直交性」という性質を調べることにしま〜す。
うーん、もっと複雑な式になるのかな・・・楽しみなような怖いような。
ともあれ、お疲れ様でした〜。
 
 
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