このページでは、とりあえず行列の基本的な話をやりま〜す。
慣れてないとなかなか難しいけど、なるべく 大事なところだけを簡単に見ていくつもりだから、がんばってね。
(その分、話としての正確さには欠ける部分もあるけど、分かりやすさ優先、ということで・・・
あと、このページでは「何番目の要素」と書いているけど、普通は「成分」という呼び方をするからね。)
 
 
1・数(今はとりあえず、実数だけで考える)を長方形に並べたものを行列という。 (行列は全体を大きな括弧でくくって表すことが多い)
2・横の並びを行、縦の並びを列という。行列の形は「○行□列の行列」とか「○×□行列」のように表す。
3・行や列が1つしかなくても行列として扱える。
 
 
まず1について・・・たとえば  のようなものが行列の例として 考えられるね。

で、2について。「行」という漢字の右上に2本の横棒があって、「列」という漢字の右側に2本の 縦棒(りっとう)がある・・・という覚え方が一般的かな?
でも慣れてくればそんなことは気にしなくても、自然に 扱えるようになるよ。
さっきの例でいうと、この行列の1行目は「3、6、1、0」の並びの部分。2行目が 「2、−1、8、9」、3行目が「5、0、2、4」のそれぞれの部分になるのね。
列についても同じで、1列目が 「3、2、5」の部分、2列目が「6、−1、0」の部分・・・ということ。
ベクトルを書くときのように、数字どうし をカンマで区切ったりはしないから、見にくい!!って思うかもしれないけど、まあこういう書き方が「お約束」みたいな ものだからね。
とりあえず、この行列は「3行4列の行列」とか「3×4行列」ということになるね。
  ・・・ということですね。
そうだね。
それから3。たとえば、 xyz 空間内のベクトルは「3つの値(数字)を並べたもの」だけど、これも
行列として扱える、ということね。実際には、ベクトルを行列として扱うときは要素を縦に書いて2行1列や3行1列の
行列(縦ベクトル)として扱うことが多いの。まあこれは、行列を習う時に必ず出てくる連立方程式の解き方の話なんか でも出てくるから
あまり深く考えないほうがいいかもね。連立方程式の解き方については、別のページで ちょっとだけ話をしましょう。
は〜い。
 
 
行列の足し算・引き算:
足し算・引き算は形が同じ行列どうしでないとできない。
計算は、それぞれの要素について計算するだけ。



また、行列の定数倍はすべての要素にその値をかければよい。

 
 
お、これはカンタンですね。
でも、基本的な計算だけど、要素の数が多いと意外と間違えたりするからね。
こういう計算こそ慎重にやったほうがいいよ。
 
 
行列の掛け算:
一般的には、かける順番によって答えが変わる。
(行列は大文字のアルファベットで書くことが多いので、これ以降はその書き方を使います)
つまり、行列AとBがあるとき、ABとBAは普通は等しくない(等しくなることもある)。
それどころか、ABは計算できてもBAは計算できない事もある。
このせいか、行列の計算には掛け算はあっても割り算はない。
 
 
これが厄介なところね。
足し算の場合はさっきのルールから、A+B=B+Aになる事は簡単に分かるけど 掛け算はそうはいかないのよ。
うーんと、じゃあ計算ができる時とできない時の違いは・・・
1・左にある行列の列の数と、右にある行列の行の数が同じなら積が計算できる。
2・計算結果も行列になる。その行の数は左にあった行列の行の数に、列の数は右にあった行列の列の数になる。
というのがきまりだけど・・・
う〜ん、なんだかよく分からない・・・
 
 
 
 
実際の例を見たほうが分かりやすいかな?さっき言ったルールを思い出しながら見てみて。
「1・左にある行列の列の数と、右にある行列の行の数が同じなら積が計算できる。」
この例だと、左にある行列は2行5列、右にある行列は5行 4列になってるね。だから、この場合は積が計算できるということがまず分かるわ。それから、
「2・計算結果も行列になる。その行の数は左にあった行列の行の数に、列の数は右にあった行列の列の数になる。」
左にある行列は2行5列、右にある行列は5行4列に なっているから、計算した結果は2行4列の行列になる、ということも分かるのよ。
ふむふむ。で、実際の計算は・・・
まず、結果になる行列の1行目は、左の行列の1行目を使って作るの。
左の行列の1行目と、右の行列の1列目、2列目・・・とを掛けて和を取ることで、新しい行列の1行目を作っていくのよ。
2行目(から先)も同じように作っていけばいいわ。
 
 
 
 
実際にやってる計算の流れが分かるかな?
最初の絵では、左の行列の1行目と右の行列の1列目を取ってきているけど、それぞれの1番目どうし、2番目どうし ・・・を掛けて、それを全部足しているのよ。
具体的に書くと、(3×1)+(1×2)+(2×8)+(1×1)+((−1)×3)=19、というわけね。
あとはこの繰り返し。この流れを見ていると、さっきから言っている
「左にある行列の列の数と、右にある行列の行の数が同じなら積が計算できる。」
「計算結果も行列になる。その行の数は左にあった行列の行の数に、列の数は右にあった行列の列の数になる。」
が納得できるんじゃないかな。
むむ〜。
ちなみに、ベクトルどうしを行列と考えて掛けてみると面白い結果になるわね。
実際の例は出さないけど、興味のある人は適当なベクトルを作って計算してみてね。
1行n列の行列とn行1列の行列の積、つまり(n次元の)横ベクトル×縦ベクトルという計算の結果は 1行1列の行列になってしまうの。
もっともこれは、行列というよりはただの値(スカラー量)だよね。
逆に、n行1列の行列と1行n列の行列の積、つまり(n次元の)縦ベクトル×横ベクトルという計算の 結果はn行n列の行列になるのよ。
ややこしいなぁ・・・でも掛け算の順番によって、結果の「形」まで変わってくるなんて不思議ですね〜。
それから、要素の値が全部ゼロになっている行列を零行列と言うの。
普通の計算ではあまり出てこないけど・・・ ベクトルを考えるときにも、数字(スカラー量)のゼロと区別して長さが0のゼロベクトルというものを考えたね。
あれと同じようなものだと思ってもらえばいいわ。
なんでこんな、普段使わないようなものにわざわざ名前までつけて・・・って思う人もいると思うけど、これについては 突っ込んだ説明はしないことにするね。
このページは「とにかく簡単に」が基本だから・・・興味がある人は 「ベクトル空間」というものの定義について調べてみるといいかもね。

それじゃあ、今回はここまで。これからは行列の掛け算がよく出てくるから、計算の順番なんかをしっかり覚えておいてね。
 
 
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