参考文献:理科年表平成21年版(丸善、編:国立天文台)
 
 
というわけで、前のページのつづき!
ここでは Excel を使って、前のページでやった式をもとに実際に計算 してみることにするね。
表計算ソフトについての細かい説明は省くけど、まあ大丈夫・・・だよね?
 
 
Problem.2-2
表計算ソフトで虹が現れる様子を再現してみよ。
 
 
前のページで、水滴に入った光はθ = 4 arcsin ( b / nr ) - 2 arcsin ( b / r ) だけ角度が変わって出てくる、という所までやりましたっ。
ではこの式を、実際に Excel に入れて計算してみましょう。
でもその前に、ちょっと準備を・・・
まず、前のページでは水滴(球)の半径を r 、光が水滴に当たる位置が中心から b だけ離れている、としたんだったね。
 
 
 
 
つまり、 b は 0 から r までの範囲を動くことになるんだけど、いちいち r を決めるのが面倒だから、思い切って
r を 1 として、 b は 0 から 1 までの範囲を動くということにしましょう。
実際、電磁気学なんかでも問題を簡単にするために光速度を 1 として考えるような事はよくあるのね。
気をつけて欲しいのは、この「 1 」というのは具体的な数字、たとえば 1mm とか 1nm とかを表しているのではなくて、
いわば逆に考えている水滴の大きさを長さの基準にしてしまおうという事なの。
ふーむ・・・まあでも、今は長さじゃなくて「どっちの方向に光が出るか」の角度の問題だから、
確かにそのほうが楽になりそうですね。
これで、さっきの式から r が消えるんだけど、あとは n だね。
こればっかりは自分で実験して調べるわけにも いかないから、理科年表に載っている値を拝借することにしましょう。
これをもとに、実際に Excel にデータを入れてみたのが次の写真ね。
同じ物質でも、波長によって屈折率が違うからそれぞれの値ごとにθを計算してあるわ。
一応説明しておくと、λ が波長、n は温度が摂氏18度のときの水の屈折率ね。
 
 
 
 
ASIN がアークサインを計算する関数なんですね。
Excel の内部では弧度法で計算してるから、最後に「 180 をかけてπで割る」ことで「度」に戻してあるわ。
「 π / 3 」とか、分数で書けばスッキリした形になるものでも小数で書くとわけわかんなくなっちゃうからね。
で、見てのとおり b は 0.0001 きざみだから、もちろんこの表は 10,000 行下まで続いてるのよ。
うわー、こんなのとても手じゃ計算できませんね・・・パソコンってえらい!!
で、この表を整理して、どの角度にどのくらいの強さで光が出てくるか、をグラフにしたのが次の図ね。
(波長と色の関係は、個人差もあるけどだいたいこんなものだと思ってもらえばいいわ)
 
 
 
 
すごい!きれいに分かれましたね。
では具体的に、このグラフから何が分かるのかを見ていきましょう。
(1)θが小さい領域では、すべての波長の光が同じくらいの強さで反射してくる。 この部分には角度による違いがほとんど無い。
(2)θが37〜42度のあたりで、紫→赤の順に反射のピークが現れる。
(3)θが43度をこえたあたりからは、どの波長の光も出てこなくなる。
 
 
 
 
ところで、太陽から来る光は、かなり平行光線に近い状態になっているの。
(これについては、詳しくは補講のページを見てね。)
ということでこの図・・・赤い平行線が太陽の光ね。
水色のあたりに水滴がたくさん浮いていて、ここで太陽の光が反射してくるとしましょう。
そうすると、高いところにある水滴で反射した光はθが大きく、低いところにある水滴で反射した光はθが小さい、
ということが分かるよね。(もちろん、この図はわかりやすいようにものすごく大袈裟に描いてあるからね)
ふむふむ。
そこでまず、さっきの(1)。
θが小さい領域では、すべての波長の光が反射してくるんだから、結果としては すべての光が混ざって白色光になるよね。
ということは、θが小さい領域=空の低い部分、つまり 虹の内側はまわりよりわずかに明るく見えることになるわ。
それから(2)。θを少しずつ大きくしていくと、順に 紫→赤の光が見えてくる、という事になるね。
あれ?θが小さいほうに紫の光が出るって・・・虹と順番が逆じゃないですか?
 
 
 
 
この絵だけ見ると確かにそんな気もしてくるけど、よく考えればこれで正しいことが分かるわ。
それぞれの水滴から同じように光が出ているとすると、地上にいる人の目に届くのは、 低い位置にある水滴からは上のほうに出た光、
高い位置にある水滴からは下のほうに出た光
になるよね。だから、これでちゃんと上が赤、下が紫になるのよ。
 
 
 
 
ふーむ、なるほどぉ〜。
それから最後に(3)。
θが42度くらいのところに赤い光の反射のピークがあるんだけど、それより角度が大きいと どの波長の光も反射してこない、
という事は虹の外側(上)は内側(下)よりも暗く見える ことになるわね。
この部分にはアレキサンダーの暗帯、なんて名前もついているのよ。
へ〜、虹は何度も見たことがあるけど、気づかなかったなぁ。
今度虹が見えたときは、そのあたりにも気をつけて見てみると面白いかもね。
それでは今回はここまで。お疲れ様でした〜。
 
 
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