参考文献:理科年表平成21年版(丸善、編:国立天文台)
 
 
 
 
Problem.2-3
虹の上にもうひとつ虹が見えることがあるのはなぜか。
 
 
 
 
 
 
虹の上にもうひとつ見える虹のことを副虹というのよ。(これに対して普通の虹を主虹というの。)
この写真はケータイで撮ったものを、分かりやすいように加工(コントラストを調整)したものだけど・・・
うっすらとだけど、虹の上にもうひとつ虹が見えているのが分かるかな?
おぉ〜、確かに虹がふたつありますね。
この虹がどうやってできるかが今回のテーマだけど・・・ 答えを先に言うと、これは「水滴の中で2回反射した光」が作る虹なの。
ここまでは、水滴に入って1回反射して出てくる光について見てきたね。
だけど実際にはもちろん、1回も反射しないで外に出ていく光もあれば、何回も反射を繰り返して出てくる光もあるわ。
もっと何回も反射する光、というのも考えることはできるけど、何度も反射を繰り返すうちに光はどんどん弱くなるから
そういうルートを通った光というのは弱すぎて周りと区別できないくらいの量にしかならないの。
実際この、「二次の虹(2回反射するから二次・・・シャレじゃないのよ)」ですらぼんやりとしか見えないことも多いし、
これよりもさらに高次の虹というのは、とりあえずは考えないことにするね。
 
 
 
 
今回は最初から、水滴の半径を 1 だと思って考えることにしましょう。
で、さっきと同じように水滴の中心から b だけずれたところに光が入ってくる様子を考えるわ。
そのあと、b を 0 から - 1 まで動かしてグラフにする・・・まあここらへんもさっきと同じだね。
( 0 から 1 までではなく、0 から - 1 まで動かす理由は後で説明するね。)
 
 
 
 
入射角を α 、屈折角を β として、さっきと同じように点をとると・・・
△ OAB 、△ OBC 、△ OCD は全部、底角が β の二等辺三角形になりますね。
 
 
 
 
あとはさっきと同じように考えて・・・
図を見てのとおり、入ってきた光は ( α - β ) + ( 180°- 2 β ) + ( 180°- 2 β ) + ( α - β ) = 360°+ 2 α - 6 β だけずれる事になるね。
これがこの図の θ 。
へぇー、今度は上向きに光が出るんですね。でもこれじゃ、地上にいる人からは見えないかな?
この図を上下ひっくり返せば、出てくる光はななめ下向きになるよね。
だから、光の当たる場所を水滴の下半分だと思って、b を 0 から - 1 まで動かす場合を考えることにしましょう。
それから、入った光と出てくる光の間の角度を考えるなら、はじめから180°引いておけばいいよね。
(図を見てのとおり、θ - 180°を計算すれば φ の部分になるからね。)

ただし、そのまま式に当てはめないように! α = arcsin b とすると b がマイナスだから α が鈍角になっちゃうの。
これを回避するには α = arcsin | b | だね。
 
 
 
 
ABS が絶対値の関数ですね。
あれ?でもこの式だと、普通に b を 0 から 1 まで動かしたのと同じじゃ・・・
ま、まあそうなんだけど・・・
これは光の曲がる大きさ(図の θ や φ )は「時計回り」「反時計回り」どちらが プラスの向きなのか、に関係してるのね。
ややこしくなるからこれ以上は説明しないけど、興味があれば図を描いて じっくり考えてみてね。
は〜い。
ではさっきと同じように、この表をもとに Excel でグラフを作ってみましょう。
 
 
 (副虹)
 
 
おぉ〜。
これが問題の「もうひとつの虹」ですねっ。
比較のためにもう一度、前のページでやった主虹のグラフを載せておくね。
 
 
 (主虹)
 
 
2つのグラフはどちらも、入った光と平行に出る光が「0度」で、そこから下向き(つまり、反時計回り)が プラスになってるわ。
詳しいことは次の絵を見てね。
 
 


横軸の数字は「入ってきた光と出ていく光がなす角度」で、図のような(反時計回りの)角の大きさを表す。 (どちらのグラフも同じ。単位は度)
 
 
というわけでグラフから分かることは、主虹と副虹では、「ピークの出る色の順番が反対」「主虹のほうが
副虹よりも光が強い(縦軸の値が大きい)」「 43°〜 48°くらいの範囲には光が出てこない」といった感じかしら。
最初の写真も(分かりにくいけど)よく見ると副虹は下が赤、上が青になってるね。
それからこのグラフでは、光が反射するときに反射しないで出ていく光は考慮していないの。それでも副虹のほうが
一番高いところでも半分以下になってるんだから、現実にはもっともっと暗いことになるね。

実際には、 主虹が見えているときには普通、副虹も出ているが、あまりにも光が弱いので気づかない ことが多いの。
虹が見えるのは当然昼間で、太陽が出ているからそれなりに空は明るいわけで、その明るさの中に 埋もれてしまわないくらいに
はっきり出ているときじゃないと見えない、というわけね。
光が出てこない角度がある、っていうのは前のページで出てきた「アレキサンダーの暗帯」ですね。
そうだね。あと細かいところでは、副虹は色と色(のピーク)の間隔が主虹より狭い、というのもあるね。
このことから、副虹は主虹よりも色の帯が細くなることが分かるね。まあ、普通ぼんやりとしか見えないから、比べるってのも なかなか難しいけど・・・

というわけでこれで虹についての話はひとまず終わり。
今度虹が見えたときは、そのへんの細かいところにも注目してみると面白いかもね。
ではでは、お疲れ様でした〜。
 
 
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